新型コロナ (Mainichi)

「人員や設備面で限界」関空検疫がパンク寸前 PCR検査増加で

By April 5, 2020 No Comments
韓国からの便で到着し、入国に必要な書類を検疫官に提出する人たち=関西国際空港で2020年3月9日午前8時36分、望月亮一撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全ての帰国者と入国者に対する2週間の待機と公共交通機関の自粛を要請する運用が3日から始まった。入国拒否の対象国も計73カ国・地域になり、対象国から帰国する日本人へのPCR検査(遺伝子検査)など検疫業務が増加。関西国際空港では、検疫所担当者が「検査結果が出るまで時間がかかる。関空の検疫所だけでは人員や設備面で限界だ」と対応に苦慮している。

 厚生労働省関西空港検疫所では約10人が交代で検査に臨んでいる。欧州からの帰国便など、対象者は多い日で1日約300人。神戸検疫所や民間の検査機関にも検体を運び、グループごとに時間を置いて飛行機から降りてもらう対応も取っている。ただ、結果判明までは最短で6時間かかり、神戸や民間で検査すると、朝に到着した帰国者が翌日夕方まで待たされるケースもあるという。国際線の便数は平常時の5%程度に激減しているが、帰国者数の増加次第では、根本的な見直しも迫られる。3日からは厚労省が空港内のホテルの一部を確保し、自宅以外で結果を待つ対象者の待機場所として使用している。

 全入国者の2週間待機が始まり、空港周辺の宿泊施設でも対策の強化を進める。体温を確認し、健康に問題がなければ宿泊に応じるが、担当者らは「従業員の感染防止が重要だ」と口をそろえる。他の宿泊者と接しないように部屋の割り当てを配慮。食事も客室に運ぶか、レストランの場合も約2メートル離れて座るよう依頼している。部屋の清掃は換気を頻繁にし、次の客の利用まで数日間を空けるなど工夫する。あるホテルの担当者は「中国などのインバウンドがゼロに近く、稼働率は20%以下。多くの従業員を休ませているのが現状で、先が見通せず非常に厳しい」と悲鳴を上げる。

 一方、受け入れを拒否するホテルもある。担当者は「距離感を十分に取る対応ができないなど施設面の問題があるので、仕方がない」と話した。【鶴見泰寿】

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