

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、疫病から人々を守るとされる妖怪「アマビエ」の商品が広がりを見せている。札幌市の老舗の活版印刷店で売られていたのは、アマビエのゴム印。活版印刷に使われる年代物の活字の中に置くと、オレンジ色のゴムに浮かぶアマビエがひときわ目立った。
アマビエは江戸時代に現れたという半人半魚の妖怪。くちばしに長い髪の人魚のような姿で、その絵を人々に見せると疫病が収まるという言い伝えがある。インターネットの交流サイト(SNS)では、感染の終息を願い「#アマビエチャレンジ」というキーワードで絵や手作り人形、写真などを投稿する人が相次いでいる。
札幌市西区で創業96年の活版印刷店「日章堂印房」を営む酒井博史さん(43)は2週間前、市内の喫茶店で販売しているアマビエのブローチを見つけた。愛らしいデザインで「これならスタンプにしてもかわいい」。早速、作者であるイラストレーターの高橋あおばさんと連絡を取り、ゴム印用のデザインを依頼した。1週間前にフェイスブックで販売を告知すると、用意していた十数個はすぐに売れ、増産を決めた。
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