新型コロナ (Mainichi)

感染拡大する中南米に中国が“対策指南” 連携強化で影響力拡大狙いか

By March 18, 2020 No Comments
北京の天安門広場=中国・北京で2014年11月9日、井出晋平撮影

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中南米で、中国の外交官が積極的に地元メディアへ登場し、対策を紹介したり駐在国との連携を強調したりしている。中国には「お手本」を紹介することで「米国の裏庭」と呼ばれる中南米での影響力を拡大する狙いもありそうだ。

 中南米で流行は遅れていたが、この1週間で感染者が急増。米ジョンズ・ホプキンズ大の17日時点の集計によると、中南米で1200人以上が感染し、12人が死亡した。

 これを受け、アルゼンチンは15日から、ペルーは16日からそれぞれの国境を閉鎖。コロンビアは16日、外国人の入国を原則禁止した。同様の措置は他の国にも広がっている。

 中南米では医療や公衆衛生の水準が低い。特に、混乱が続くベネズエラやハイチなどでは爆発的な流行を懸念する見方もある。

 こうした中で、在ブラジル中国大使館幹部が12日、中南米全体に一定の影響力を持つブラジルのテレビ「グローボ」に出演。「コロナウイルスとの闘いにおける中国の経験」について語った。

 幹部は中国で「流行のピークは越えた」と話し「公衆衛生に加え経済や社会、治安分野の当局も関与することが必要だ」と、中国のように国を挙げた対策を取るべきだと訴えた。

 国際社会から初動の遅れを批判された中国だが、司会者らから中国への批判的な質問はなかった。

 また、メキシコでは中国大使館員が地元紙「エルヘラルド」の取材に応じ、既にメキシコ保健当局と6回協議したと明かした。中国側は防止策やウイルス検出法について情報提供したという。

 こうした活動について、ロイター通信は中国が流行に直面する国と知識を共有し「責任ある国」として信頼性を高め、国際的イメージを改善しようとしていると伝えた。

 報道によると、全世界に駐在する中国人外交官が、既に400件以上のインタビューを受けたという。新規感染者が減少しつつある中国の「成功」を印象づける狙いもあるとみられる。

 中国はブラジルやチリ、ペルーなどにとって最大の貿易相手国であり、中南米での影響力が強まっている。【サンパウロ山本太一】

0