新型コロナ (Mainichi)

東京都知事「新たな段階に入った」 半分が感染経路不明

By April 20, 2020 No Comments
新型コロナウイルス感染拡大防止を呼びかける小池百合子都知事を映し出したスクランブル交差点の電光掲示板=東京都渋谷区で2020年4月5日午後4時13分、北山夏帆撮影

 東京都は5日、新型コロナウイルスの感染者が新たに143人確認されたと発表した。1日あたりの感染者数で最多を更新し2日連続の100人台となった。都内の感染者は累計1000人を超え、増加傾向にある「感染経路不明者」は約半分を占める。感染経路がたどれないと、濃厚接触者や「クラスター(感染者集団)」が捕捉できず、感染の封じ込めも難しくなる。小池百合子知事は同日、NHKの番組で「リンクが追えない数が増えているのが大きなポイント。(感染拡大は)新たな段階に入った」との認識を示した。【内田幸一、南茂芽育】

感染経路不明の3分の1が「夜の街」で

 都によると、5日に感染が確認された143人のうち感染経路がたどれずに調査を続けているのは、過去最多の92人。都内の1日あたりの感染者は数人から10人台だったが、3月25日に41人に急増し、経路不明者も初めて2桁に乗った。4月4日には、感染者117人の7割近い80人に上っている。感染確認後も経路の追跡を続けているが、3日時点のまとめでは累計感染者773人のうち355人が不明のままだ。

 都によると、経路不明者が増える要因は、感染者の急増に調査のマンパワーが追いつかないことや、「夜の街」で感染した疑いのある人が、調査に応じないケースが多いことにある。

 保健所などは、感染症法に基づき、感染者に対して発症前の1~2週間や発症後に「どんな場所に行き、どんな人に会ったのか」などの行動歴を細かく調べる。こうした調査によって濃厚接触者を洗い出し、「クラスター」も探し出すことで感染拡大の芽を潰していく。ただ、感染者が多くなり、人手不足で聞き取りなどに充てる時間が取りにくくなっているという。

 さらに経路不明者の3分の1程度を、ナイトクラブやキャバクラ店などに代表される「夜の街」に行った人が占め、「調査しても細かい話をしたがらない人がいる」(都幹部)という。

東京都内の新型コロナウイルス感染者数

 また、都内で5日時点の累計感染者は1033人となり、入院が必要な人も951人に上って、都が感染者用に確保した約1000床に迫っている。小池知事は動画配信サイトで同日、無症状・軽症者をホテルや自宅で療養させる厚生労働省の通知に沿って、7日から「1棟借り」で確保したホテルに軽症者らを順次、移す方針を明らかにした。

 一方、都は累計で140人が感染、12人が死亡した永寿総合病院(台東区)で、新たに7人の感染が分かり、死者は少なくとも4人増えたと明らかにした。

 国立国際医療研究センター・大曲貴夫国際感染症センター長の話

 東京都の感染者数の増え方はほぼ想定内で、さらに増えると考えられる。感染経路が不明の患者も増えているが、現段階では評価が難しい。感染経路が不明な患者の増加は、一般的に感染が急拡大しているサインだ。ただ、保健所が患者の行動歴などを把握するには時間も手間もかかる。感染経路が不明の患者の中には、感染者数が増えたことによって調査が追いついていなかったり、症状が重く聞き取りができなかったりする人も隠れているだろう。最終的に保健所の調査によって感染経路が判明するケースも多数ある。十分な調査が実施された後にも感染経路が追えない場合は、クラスター(感染者集団)を見落とし、見えない感染がさらに広がる可能性がある。公衆衛生上の対策を打ちづらくなるため、注意が必要だ。【聞き手・金秀蓮】

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