

緊急事態宣言が出てから2週間以上が経過したが、新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ収束の兆しが見えない。最前線の医療現場では医師や看護師、検査技師らが防護服に身を包み、懸命に感染患者の治療に当たっている。21日午後、40人ほどの感染者が入院している東京都江戸川区の東京臨海病院を訪れ、コロナ専門病棟などを取材した。現場はテープやビニールで厳重に区分けされ、多くのスタッフが限られたスペースで額に汗を流しながら動き回っていた。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】
東京臨海病院は、東京メトロ東西線西葛西駅からバスで南へ約10分の場所にある。すぐ西に荒川が流れ、北には親水公園があるなど静かな場所だ。病院の敷地に入ると、「発熱外来」と書かれた入り口と、一般外来の正面入り口が目に入った。正面入り口前には、白色の半円形のテントと白い防護服姿の病院スタッフが立っており、検温を求められた。サーモグラフィーなどによる検温は外気の影響などを受けるため、来院者全員に脇に体温計を挟んでもらい測定している。記者も緊張して検温。36・4度の表示にほっと胸をなで下ろした。
午後だったこともあり、患者は少ない。広い外来の待合室にはソファや椅子が置かれているが、椅子の至るところにビニールテープで「×」印が貼られていた。院内感染を防ぐため、一般外来の待合室も×印のところを避け、一定の間隔を空けて座らなければならない。患者は皆、×印を避け、間隔を空けながら静かに会計などを待っていた。
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